脚本家  水橋文美江さん

金沢の児童劇団が出発点

脚本家 水橋 文美江 さん

 

 金沢市出身の脚本家・水橋文美江さん(58)は11月11日、野々市市文化会館フォルテで開かれた同市文化協会主催の講演会に臨み、「時代とともに」の演題でNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」(2019年後期放送)の脚本を担当した苦労話などを披露した。

代表作にテレビドラマ「夏子の酒」や「妹よ」、映画「ホタルノヒカリ」などがある人気脚本家だが、「気取らず、飾らない普通の主婦」の雰囲気を醸す。脚本家になったきっかけについて「引っ込み思案の少女で、金沢・三馬小の校長先生がやっておられた児童劇団さくらんぼに入った。同じ年頃の子が大人のセリフをしゃべっているのを見て感動した。学芸会のシナリオを書いたのが最初です」と、さりげなく語る。

錦丘高で演劇部に入り、脚本を書いてコンクールに出場を重ね、劇作家・演出家を目指して同高卒(17期生)後上京。一人で劇団を立ち上げ、第3回フジテレビヤングシナリオ大賞への応募をきっかけに26歳のとき脚本家デビューした。

女性陶芸家をモデルに制作した「スカーレット」では「取材など準備期間を含め2年近くかかり、他の仕事を極力抑え、大阪のホテルに7、8カ月間缶詰状態になって書いた」と明かす。朝ドラに限らず登場人物のキャラクターづくりに苦労しており、「今は昭和の新聞記者でもくわえタバコはNG。時代とともに表現が制約される苦労がある」と吐露。

今回、母校錦丘高を訪問し、生徒と交流したのもふる里への恩返しから。新年1月から日本テレビ系で放送される連続ドラマ「すきすきワンワン!」を執筆中で、新時代のドラマづくりに期待がかかる。

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