「文化都市」さらに推進
金沢市長 村山 卓 氏
3月13日の県知事選との同日選で金沢市長に初当選した村山卓(たかし)氏(49)は、山野之義前市長時代に約3年副市長を務めたキャリアを生かし、庁内に部局横断型の「世界に誇る文化都市・金沢推進本部」を6月にも設置する方針を示すなど総務省出身エリート官僚の本領を発揮している。
「金沢ほど文化芸術に理解を示す都市はない。さらに幅広い世代の市民が文化に触れることができる機会を増やしたい」と若手やアマチュアの文化芸術の相談窓口「アーツカウンシル金沢」を年度内に立ち上げる方針を示す。自ら金沢市民管弦楽団に所属し趣味のフルートを演奏、「風と緑の楽都音楽祭」では、フルート奏者である夫人と協奏した。日頃、文化芸術に親しむ市民グループと交流があるためか、「金沢駅もてなしドーム地下広場で定期演奏会が開かれるようにしたい」とも。
5月27日発表した6月補正予算案では、コロナ禍の地域経済再生などを柱に積極予算を組み、文化施策では、鈴木大拙館と玉川図書館の改修計画着手も盛り込んだ。
東京出身。1996年に慶大総合政策学部卒後、自治省(現総務省)入省、仙台市、消防庁、愛媛県、川崎市財政部長、香川大人文社会科学系教授などを経て2019年に防衛省防衛政策局日米防衛協力課日米同盟調整企画官から金沢市副市長。主に総務省からの出向で、行政トップに必要な要職をこなしてきた。
母親が金沢美大卒とあって「金沢の美的センス」に太鼓判を打つ。来年秋の国民文化祭へいかに盛り上げていくか、ソフトな〝文化人市長〟の手腕発揮どころであろう。