中小支援へデジタル化
石川県副知事
西垣 淳子 氏
今年3月の知事選で馳浩知事が公約に掲げた女性副知事の登用通り、7月1日付で経産省大臣官房付から就任した西垣淳子(あつこ)副知事(53)は「デジタル化や(脱炭素の)グリーン化など経営革新を通じた中小企業支援策を推進したい」と、十八番の産業政策を唱える。
副知事室に、世界時計や国際貿易レートなどを表示するボードを置き、金融機関や証券会社のような雰囲気を漂わす。男性社会の「霞が関」の中で、旧通産入省当時、女性官僚では7人目と少数派。かつ同期入省の男性と結婚、現在20歳になる双子と17歳になる3人の母親となり仕事と子育てを両立する「スーパーウーマン」として話題を集めた。
「深夜勤務になることが多い職場で、保育所の送り迎えや病気になったときの対応など、自分だけでは無理。最初の双子出産のときは私が1年間、2度目のときは夫が1年間それぞれ育児休業をとった。周りの協力は欠かせません」と、きっぱり。
大蔵事務次官を歴任した父親の関係で、生まれ育ちも東京都千代田区。平成3年に東大法学部を卒業後、通産省に入省、米国留学、大臣官房地方課長補佐、世界平和研究所主任研究員、中小企業庁経営支援部小規模企業振興課長などを歴任。
「兄が金融機関の金沢支店に2年半いて学生時代に金沢によく旅行にきた。貿易管理部安全保障貿易国際室長時代に石川の機械業界などを視察する機会があり、石川には馴染みがある」と、恵まれた地への赴任を喜ぶ。座右の銘は「楽しく仕事をしよう」。「よそ者だからこそわかる石川の魅力を伝えていきたい」と、卒ない抱負を語る。〝動〟の馳知事を支える格好のブレーン登場だ。