「しあわせの森」映画化
モナ森出版主宰・作家
山元加津子 さん
特別支援学校などで難病の生徒と触れあった体験などをもとに作家活動を続ける山元加津子さん(66)=モナ森出版主宰、小松市大杉町=は今春、ドキュメンタリー映画「しあわせの森」をサポーターとともに制作、5月7日、小松市の県市川團十郎劇場うららを皮切りに東京、大阪など全国で上映会を開いている。
愛称「かっこちゃん」で知られる。影響を受けた遺伝子研究者で筑波大名誉教授だった村上和雄氏が21年4月に亡くなり、「一人ひとりが大切だという〝サムシング・グレート〟のことを伝え続けてほしい」との遺言から20年9月、ファンタジー小説『リト』の出版に続き、映画上映にこぎつけた。
映画は加賀地区などの仲間7人で「チームリト」をつくり、「動画ユーチューブの延長のような感じでアイフォン(スマホ)を使って撮影した」と低額の予算でDVD(113分)を制作したことを明かす。
金沢市出身、二水高、富山大理学部卒後、石川県立小松瀬領特別支援学校などで32年教師を務めた。教師時代に難病・多発性硬化症で亡くなった教え子から生前「世界中の人に、一人ひとりが違ってそれが素晴らしいということを伝えて」と言われたことが創作活動のきっかけ。
著書は2012年に泉鏡花金沢市民文学賞を受賞した『手をつなげば、あたたかい』など約30冊。映画は村上氏と出会った「1/4の奇跡」に出演しているが、監督作品は「銀河の雫」以来2作目。「しあわせの森」は米・ニューヨーク、ハワイなど世界各国で上映会が予定されており、「サムシング・グレートを世界共通で感じてもらえればうれしい」と、微笑はあくまで温かく優しい。
加能人 令和5年7月号