北陸3県の会議所と連携
金沢商工会議所会頭
安宅 建樹 氏
金沢商工会議所の安宅建樹会頭(73)=北國銀行相談役=は来年3月の北陸新幹線敦賀延伸に向け、「福井、富山とも20分で行けるようになる。3県の会議所が連携し、広域観光はじめ共同の商談会開催にも取り組みたい」と、年内に敦賀駅視察の折、福井の八木誠一郎、富山の庵栄伸両会頭と会談し、具体的な連携強化策を打ち出す意向を示す。
北國銀行頭取を14年務め、経済情勢や地元企業に精通しているのが強み。会頭3期目の11月21日、金沢市内のホテルで開かれた同会議所会員大会で「物価高など会員を取り巻く環境は引き続き厳しい。取引の適正化と人材確保、育成の支援に取り組みたい」と、中小企業・小規模事業者の経営計画策定や販路開拓の後押しなどきめ細かい〝伴走支援〟の充実を図ることを表明した。
豪商銭屋五兵衛や安宅産業創業者の安宅弥吉ら歴史に名を刻む経済人を輩出した金沢市金石地区の出身。泉丘高(21期)から1973年に金大法文学部を卒業後、北國銀行に入行。外国部ニューヨーク駐在員事務所の初代所長、企画部長、常務、専務などを経て頭取に。〝ゼロ金利政策〟など金融機関冬の時代をコンサルティング営業の強化、デジタル化支援などに取り組んだ。
2016年11月に金沢会議所会頭に就任後もコロナ禍など厳しい経済環境が続く中、持ち前の機智と胆力で乗り切る。趣味の読書では村上春樹らの小説を愛読、最近は「サスペンスものが多い」と相好を崩す。金大学友会会長、片山津ゴルフ倶楽部理事長など公職多数。座右の銘は良い縁がさらに良い縁を尋ねて発展していく「縁尋機妙」。人の出会いを大切にするのが真骨頂のよう。
加能人 令和5年12月号