網膜疾患のiPS治療研究
(株)VC Cell Therapy 取締役CTO 堀 清次 氏
病気やケガで失われた機能をiPS細胞(人工多能性幹細胞)により再生させる治療は2012年に山中伸弥京大教授がノーベル医学・生理学賞を受賞して注目され、今年2品目が世界で初めて日本で承認された。その一翼を担う㈱VC Cell Therapy(以下・VCCTに略、神戸市)の取締役CTO(最高技術責任者)である七尾市出身の堀清次氏(63)=医学博士、豊中市在住=が5月17日、大阪市内のホテルで開かれた母校・七尾高校の関西同窓会で「iPS細胞治療、開発の現状と展望」の演題で講演し最先端医療の研究開発に理解を求めた。
VCCTは国立研究開発法人・理化学研究所で網膜再生医療の先駆者だった髙橋政代博士が創設した「理研ベンチャー」で、神戸アイセンター(神戸市)を拠点にⅰPS細胞による網膜疾患治療に取り組む。2014年に設立された㈱ⅰPSポータル(京都市)の執行役員社長室長と生殖補助医療における細胞治療を担う㈱「ほうじょう」の取締役も兼務する。
旧中島町出身で「少年時代は昆虫が好きで小学5年生でアマチュア無線の資格をとり、将来は科学者になりたかった」と振り返るが、七尾高生(33期)の時はサッカー部に所属し、文武両道。京大理学部に進学、京大大学院理学研究科修了。ノバルティスファーマ、京大講師などを経てスタートアップに転身した。
「現在の細胞治療は抗体医薬の20年遅れの状況。アムシェブリ、リハートの2件が条件期限付きで承認されたが、まだ正式に認可されたものはない。今年はⅰPS細胞治療市場投入元年」と解説し、難病患者救済を図る自らのベンチャービジネスに意欲をみせる。
加能人 令和8年6月号