話題の人(令和3年10月号)
自分の思い伝える物づくり
印象美プロデューサー
小西敦子 さん
7年前に「言葉の衣裳部屋」という意味の㈱WORDROBEを創業した小西敦子さん(53)=野々市市新庄=は、印象美プロデューサーとして金沢の水引作家らと始めた手紙に金沢の香りを添える「金澤文香プロジェクト」のほか、「金澤文香」=写真=を通じて、時流にあった作法を伝える〝お道具箱〟などの商品化に取り組む。
〝印象美〟について、「五感を大切にする暮らし。周囲へ心地よさを届ける思いやり。美しく生きる創意工夫」を挙げ、「自分の人生が素晴らしいと思い、周りの人もそう思ってもらえる。その美しさが伝わること」と自ら名付けた。
エフエム石川やテレビ金沢の番組パーソナリティーの経験があり、フリーアナとして20年以上にわたり2千件を超す司会の実績がある。日本コミュニケーション能力認定協会の上級トレーナーであり、企業の社員研修などで講師を頼まれることも多いという。
金沢市内の紳士服テーラーの家庭で育ち、北陸短大卒後、1年間米国に留学、帰郷後、製薬会社に勤務。司会などのアルバイトで、マスコミ業界入り。45歳のとき、「他者の価値観を伝える仕事」からきっぱり足を洗い、国交省の日本風景街道など「五感に響くまちづくり」に関わったことを機に起業した。
テーラー一家に育ったせいか、オーダーメイドドレスのアトリエも野々市と東京・南麻布で運営する。好きな言葉は茶道で使われる出会いとおもてなしの「一座建立」と「円融自在」。〝ウィズコロナ〟の時代に自分の感性を磨く人を手伝うプロデューサーといえようか。