箔と写真の融合に新境地
大阪芸術大学教授・写真学科長
織作 峰子 さん
小松市出身の写真家で大阪芸大教授・写真学科長・通信教育学部長の織作峰子さん(61)=東京・白金台=は、UVインクジェットプリントシステムを使い、和紙に金沢金箔や銀箔、プラチナ箔などを載せていく箔と写真を融合させる作品づくりに新境地を開いている。
昨夏、東京ミッドタウン・ホールで開かれた「富嶽三十六景」のポイントを巡る企画写真展に、葛飾北斎が大きな波しぶきをかぶる富士山を描いたとみられる西伊豆で冬場に撮影した作品(写真)を出品、高く評価された。
このコラージュの試みは、東京オリ・パラ組織委の文化教育委員に委嘱され、「日本の美を世界の人々に紹介するために企画された」のがきっかけ。
箔とのコラボ作品は、18、21年に銀座・和光ホールで「恒久と遷移の美を求めて」「Hommage to Hokusai(オマージュ北斎)~悠久の時を旅して」をテーマにした屏風作品の個展で披露された。
小松市立高卒、京都文教短大2年時にミス・ユニバース日本代表に選ばれた。写真家大竹省二と出会い、1987年からフリーの写真家に。04年に大阪芸大写真学科助教授、06年に教授。コロナ禍にあってリモートと対面授業が行われ、週3日、新幹線で通う。同大では「海中撮影、ドローンを使った空中撮影の陸海空に対応しています」とPR、自らドローンの操縦免許を持つ。
オリジナルカメラバッグも考案、東京・ヨドバシカメラで販売中。金沢で毎月1回、フォトサークルの講師も務めており、人気ぶりは相変わらず。「いろんな人と出会い、自分の世界が広がる。それらの人をつなぐのが楽しい」と笑顔をみせる。