断らない・諦めない医療実践
日本医科大学消化器外科主任教授・同大付属病院副院長
吉田 寛 氏
私立医大トップクラスの日本医科大消化器外科主任教授で同大付属病院の吉田寛副院長(63)=金沢市出身、東京都世田谷区=は、コロナ禍などにおいて患者のたらいまわしが社会問題になる中、「日本で一番多くの重症患者を受け入れ、院内感染は非常に少なかった」と胸を張る。〝断らない・諦めない医療〟の実践を掲げ、若手医師の指導育成に奮闘している。
母親が珠洲市宝立町出身で、元日の能登半島地震時には本人、母親とも都内にいて無事だったが、母方の実家が倒壊する被害に遭った。能登の縁からか、相撲が強かった父親の影響もあって少年の頃から相撲好き。金大附属の幼稚園から小・中・高校(30回卒)を経て1986年に日本医科大、92年に同大学院修了、外科医になってからも相撲に励んだ。
185センチの長身。「学生時代はガリガリに痩せていて相撲は強くなかったが、医者になって体格が良くなって強くなった」と言い、30歳のとき、茨城県の病院に派遣され、同県相撲大会で上位入賞し国体に出場している。現在、日本医科大相撲部の部長、東日本学生相撲連盟理事。
2016年から2年間、日本医大多摩永山病院の院長を経て18年から現職。外科医としては、肝胆脾門脈外科、肝移植、ⅠⅤR、超音波を中心とする画像診断学が専門。日本門脈圧亢進症学会理事長、日本外科系連合学会理事長、脾臓研究会代表世話人など公職多数。
「トラブルが起きた時、動揺しない対応」は様々な人生経験から会得したよう。いしかわ観光特使も引き受けており、郷土愛は強い。震災復興へ「為せば成る」とエールを送る。
加能人 令和6年5月号