阪神、能登ダブル被災にめげず
薬膳料理研究家 槇 玲 さん
膳料理研究家として活動する能登町出身の槇玲(まり)さん(51)=本名・奥村真理、旧姓山下、神戸市垂水区=は1995年1月の阪神淡路大震災に続き、昨年元日、帰省中に能登半島地震に遭う。このため被災者の気持ちに寄り添い、主宰する料理教室で能登の食材を用い、昨夏,能登町に義援金200万円を届けるなど、能登復興に思いを寄せながら食育指導に取り組んでいる。
幼少期は両親が共働き、能登町の山間地、不動寺で育つ。「専業農家の祖父母と一緒に野菜、果物と戯れたことが、薬膳料理を研究するルーツかも」と打ち明ける。
旧・宇出津高(能登高)を1992年に卒業、兵庫県に出て児童養護施設の栄養士として6年間勤務、激務から原因不明の体調不良になり、退職後、長男を出産し専業主婦になったのを機に薬膳料理を学んだ。「長年悩んだ体調不良とアレルギーを食の力で克服した」と明かす。
2005年に薬膳料理教室「暖彩」を立ち上げ、08年に最初の著書『ナチュラル薬膳〜スーパーでそろう食材だけでつくる がんばらないわたしの薬膳レシピ』を出版。11年に鍼灸師の夫とともに「食とはりきゅうの暖彩」を運営開始、13年に管理栄養士の資格を取り、18年に「代謝スムーズ 食べ合わせ薬膳レシピスクール」を開設、同年㈱Yakuzen Soryを設立した。
制作した薬膳レシピは2千本を超え、関西中心にマスメディアに多数出演、講演依頼も多い。薬膳料理教室は受講生が累計1万人以上の人気だったが、昨年末から休み、オンラインで「幸せな人生を送るための食事の大切さ」を発信している。
加能人令和7年8月号