邦楽の普及活動、ジャズも
日本の音「翠の会」代表
箏・三絃演奏家 川田 昭美 さん
金沢市出身の箏・三絃演奏家、川田昭美さん(67)=東京都町田市在住=は、神奈川総合高校などで邦楽の教鞭をとり、フルート、ピアノを加えた女性3人の「KOTOユニットBreeze(ブリーズ)」で、演奏活動を続け、日本の音「翠の会」代表として邦楽の普及活動に取り組んでいる。DTM(ディスクトップ・ミュージック)などコンピューターミュージックもこなし、箏演奏でも唯一ジャズ(即興演奏)を披露するユニークな音楽家だ。
金沢で幼少の頃から近所の箏演奏を聞いて育った。小学1年時からピアノを弾き、城南中生のとき、筝曲の演奏をナマで聞いて「こんな表現があるんだ」と邦楽に魅了される。獣医志望のリケジョ(理系女子)で、二水高ではコーラス部に所属したが、生田流の師匠につき、正派音楽院音楽科を卒業、東海大大学院音響芸術専攻、NHK邦楽技能者育成会30期首席で修了。国内外のコンサートで演奏しながら、20代後半からスタジオミュージシャンとしても活動した。
横浜国大付属中学音楽科研究大会の特別講師などを経て現在、玉川学園小学部や町田市第二中学の筝曲部で指導する。「翠の会」の活動は文科省の助成を受けており、学校教育における部活動の指導を教師から地域社会に移行させる流れの中で、学校、地域活動双方の現場で汗を流した実績が今後生かされそうだ。
ユニット「ブリーズ」で今年1月の石川県人会新年祝賀会はじめ9月の敬老の日に町田市などで演奏、「子供からお年寄りまで、日本の文化である音色を教え、伝えていきたい」と、意欲をみせる。伝統芸能が盛んな金沢で育った女性の本領発揮といったところだ。
加能人 令和7年10月号