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加能人 目次          8月号
題字・金田 心象
表紙作品・高名秀人光
話題の人 英国人漆芸家 スザーン・ロスさん 3
石川ゆかり企業 てまりグループ・㈱スパーテル 4
活躍する県人 永井豪氏米国のアイズナー賞殿堂入り 6
人事・選挙 県公安委員長に髙桑氏 8
石川県出身者の動き  8
スポーツ 大相撲名古屋場所、ロッテ角中引退 8
高校野球石川大会 遊学館11年ぶり甲子園 9
石川の動き 能登で医療DX推進 10
北陸経済 新卒充足率が過去最低 12
TOP発信 金沢市立病院・髙田重男事業管理者 13
ふるさとウォッチ 川北で花火2万発 14
事故事件簿・広報ネットワーク 16
海外だより ハワイ石川県人会 17
県外ニュース 県アンテナ店100万人突破 17
いしかわ縁者・ひと言通信  17
美術情報・表紙絵作家紹介 18
母校だより 「二水ボール」人気 19
県人会・同窓会・つどい 20
羽咋高同窓会 金大附高関東同窓会 関西一泉同窓会
とやま石川県人会 宝達志水関東ふるさと会 宝達志水関西ふるさと会
北大阪石川県人会 東京野々市会 関大校友会石川県支部
石川県人会 和敬塾塾友会北陸支部 金沢龍馬会
われら同期の桜 羽咋高校20回生 22
連載「先駆者魂」⑧ 23
加能随想  24
三井修 堀俊夫 清水信也 窪田治男 徳田智律
加葉田和夫 道林寺胡径
二水関西の川柳・加能俳壇 31・32
おくやみ  32
今さら聞けないITいろは講座 33
のともん便り・食酒アラカルト 34
出版情報 36
ミュージアムガイド 37
加能ガイド 38

スウィングする気持ち大切に

ジャズシンガー・歯科医

山田 ゆき さん

 

母親、歯科医、ジャズ歌手の三足のわらじを履く山田ゆきさん(45)=川崎市在住=は、津幡町、金大医学部出身で産婦人科医だった父・靖幸氏(故人)と金沢市、金大薬学部出身で薬剤師の母・啓子さん(76)=名古屋市=が両親の石川ゆかりの人。2025かわさきジャズBRIGEアーティストに選ばれるなど、東京・神奈川、名古屋、金沢とゆかりの地でライブ活動を続ける。

生まれは父親が勤務していた米国コネチカット州。幼稚園児まで津幡町で小学生から名古屋暮らし。ジャズを聴き始めたのは母親の影響から。中学生の時、女子合唱部でアルトのパートだったが、低い声を生かしジャズシンガーになった。

鶴見大(横浜市)歯学部を卒業、歯科医をしながら代々木NARU(東京)のオーディションに合格しジャズボーカリストとして本格的に活動を始めた。

広島県出身の男性歯科医と結婚、2児(現在中3と小6)の子育てをしながら、椎名豊ら多くのジャズミュージシャンと共演。アルバム「フィーリング グッド」など3枚リリース。昨秋、川崎の工場夜景を見ながらのクルージング演奏会はNHK横浜放送局から全国生中継された。

「ジャズは会話、即興のスキャットは自分の日々育んだ感性から出ます。子育ても生かされています。心が躍るスウィングするのがジャズの醍醐味です」と吐露、CDに入れるライナーノーツも書き、今春、自ら作曲も。歯科医として高齢者施設への訪問治療も続けるが、「私は忙しい両親の背中を見て育った。ジャズ歌手としてお客さんと一緒にみんなをつなぎたい」と語る骨太、パワフルなジャズシンガーだ。

加能人令和8年5月号

内なる感性を即興ライブ

キーボーディスト・音楽プロデューサー

佐野 観(Kan Sano)さん

 

 今年1月30日夜、金沢21世紀美術館内にあるシアター21で佐野観(KanSano)さん(42)=東京=は150人ほど入った観客席と同じフロアに置かれたグランドピアノにスポーツシューズを履いて向かい、即興演奏を繰り広げた=写真=。

「劇映画 孤独のグルメ」の主役松重豊さんから頼まれて提供した同映画のエンディングテーマなどジャズとクラシックを融合した独自スタイルの曲作りと演奏が人気を集めている。

父親が兵庫県で音楽関係の仕事をしていて宝塚市で育ったが、阪神淡路大震災に遭い、かほく市に母親の実家があった縁で11歳の時に金沢市に転校、犀星中から桜丘高に進学。「吹奏楽部でトランペットを吹き、バンドもやっていたが、ジャズに興味を持ち始め、金沢市芸術村のジャズワークショップに通ううち本格的にジャズを勉強したくなって渡米した」と語る。

留学先は米ボストンにある現代音楽・ジャズの最高峰・バークリー音楽大学。桜丘高吹奏楽部2年先輩が留学していたことも背中を押した。

同大ピアノ専攻ジャズ作曲科を卒業し英デッカレコードから日本人として初リリースした。

能登半島地震発生時は金沢に帰省中で、数日後、被災地支援へ金沢市内の古書店でインスタライブを実施。桜丘高54期生として昨年10月、「三桜同窓会設立100周年記念のつどい」(金沢)にゲスト出演した。4月にアルバム「MOJACAT」を発売、5月から全国ツアーに乗り出す。最終日の6月25日に金沢公演を予定しており、「金沢の音楽シーンに何か役立つ活動をして恩返ししたい」とふるさと貢献にも意欲的だ。

加能人令和8年4月号

「一生、放送人でいたい」

ラジオパーソナリティ  能美市観光大使

小林 奈々絵 さん

 

 文化放送(東京)のラジオ長寿番組「走れ!歌謡曲」のパーソナリティを10年近く担当し、現在も同局の「大人の歌謡クラブ」などに出演するフリーアナ小林奈々絵さん(42)=東京、能美市大長野町出身=は、昨年12月、同市誕生20周年記念イベントで総合司会を務めるなど、ふるさとの魅力発信に一役買っている。

「小学生の頃、国語の教科書の朗読をほめられ、校内放送の委員にもなって楽しかった」という思い出が、持ち前の美声を生かす進路選択に。小松明峰高卒業後、通信制の自由が丘産能短大(東京)に3年通って卒業。日本コロムビアに入社、受付嬢をしていたが、デモテープ作りで、八代亜紀の代役として仮歌を歌う機会があり、「ヘッドフォンをつけて歌ううち、小さい頃にこんなシーンに憧れていた」ことにフラッシュバックし声優養成所に通った。

2009年12月、文化放送の「走れ!歌謡曲」のオーディションに800人超の中で合格。当時、25歳、その後、深夜2時間の生放送をこなし、中高年のドライバーらを中心に「夜明けのプリティーウーマン」の愛称で人気を集めた。全日空の機内オーディオ番組も担当し、ナレーションには定評がある。

両親が寺井町でステーキ店を営んでおり、調理師免許を持ち、フードアナリストやビールマイスターの資格も。2013年度「食のなでしこコンテスト」でグランプリを受賞。

共作のCD「金沢・愛のパラミシア」「夜明けのリクエスト」も出す。5年前に出産を明らかにし、公式ブログのタイトルは「ななころび八起き日記」。「生放送は人と人の出会いがあり、楽しい。一生、放送人でいたい」と、語る声は明るい。

加能人 令和8年3月号

産休制度の改善に尽力

初の女性石川県議会議長 安居知世 氏

 昨年3月、石川県議会で初の女性議長(第107代)に就任した安居知世氏(57)=自民党、金沢市=は「県議活動の一丁目一番」に据える少子高齢化対策や女性の地位向上の一環で21年3月に議員の産休制度を設け、24年12月には産前を6週から8週に増やす制度改革を実現した。

県議会の女性議長は全国で6人目だが、石川県議会は副議長も八田知子氏(自民党、小松市)が同時に選任され、正副揃っての女性は全国初。

全国議長会の男女共同参画委員長の立場を生かし議長会に働きかけ全国の議会の産休延長につながる標準都道府県議会会議規則を改定し「全国の自治体や一般企業の育児休業の拡大につながれば」と願う。

金沢に勤務する外科医と結婚し、「一子を授かったが、年齢的に二人目を作れなかった後悔もあって、子育て環境の改善を政治課題に据えた」と打ち明ける。

1987年に星稜高から金沢女子大(現・金沢学院大)に進学、3年次にニューヨークの大学語学専門学校に9カ月間留学、祖国を捨てる覚悟で留学している海外の学生と交流する中、「自分がいかに世界を知らなかったか、思い知らされた」とカルチャーショックを受ける。

他国の文化に出会える仕事に就きたいと1992年に日本航空に入社、国際線客室乗務員(CA)を11年勤めた。世界を飛び回る中、「日本の良さをもっと日本人に伝えたい」と思うようになり、働きながら子育てする中で地元の政治に関心を高め、2003年に金沢市議に初当選した。

11年に県議に初当選、副議長、少子高齢化対策特別委員長等を経て4期目で現職。高市早苗首相を筆頭に「ガラスの天井を破る女性政治家」が増える中、「感謝」の気持ちを忘れずパワー全開といったところだ。

加能人 令和8年2月号

新ビジネスモデル推進

㈱CCIグループ代表取締役社長 杖村修司 氏

 

 北國銀行の持ち株会社であるCCIグループ(金沢市)の杖村修司社長(64)は25年10月1日、社名を北國フィナンシャルホールディングス(FHD)からコミュニケーション(対話)、コラボレーション(協働)、イノベーション(価値創造)の頭文字を取って現社名に変更した。

「地域の課題解決や価値創造に関わるパートナーと共に、未来を自ら構想、挑戦、創造していく決意が込められている」との説明は、バンカーより起業家のようだ。2020年に北國銀行頭取、21年10月から現職に就く。北國銀行をはじめコンサルや投資、システム開発・販売など13社を傘下に持ち、伝統的な銀行業務にとどまらず、顧客の多様なニーズに応える「新しいビジネスモデル」の推進に意欲をみせる。

小松市生まれ、金大附属中・高校から1985年に慶大商学部卒後、北國銀行に入行。デジタル・ⅠTに強く、企画部長など歴任。地域通貨サービス「トチツーカ」を導入し、ウェブ通帳などのサービスを組み合わせた「北國ライフタス」の契約口座は累計20万を突破し、地銀DXのトップランナーと呼ばれるまでに。

同行の改革は30歳代でプロジェクトチームのリーダーに抜擢されて以来の取り組みだが、キャッシュレスサービスに苦手な高齢者向けに新サービスを提供する柔軟さも。NY、香港勤務を経験しており、海外4カ国に現地法人を設け、新年4月に海外事業の統括会社を設立する。

座右の銘は、大学生の時、北國銀行東京支店長だった父親と柔道家・嘉納治五郎邸に同居した折、そこに掲げてあった同氏の「精力善用 自他共栄」。自分の経験、能力を最大限に発揮し、地域社会に貢献する気構えだ。

加能人 令和8年新年号

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「高齢者音楽デイ」で活動

ソプラノ歌手・介護福祉士 下村裕子さん

 

 ソプラノ歌手下村裕子さん(65)=旧姓・島本、東京都東久留米市在住=は11月3日、かほく市の西田幾多郎記念哲学館で叔母に当たる内灘町出身の洋画家野村康子さん(享年84歳)をしのぶ追悼展覧会と追悼コンサートを企画、ゆかりの音楽家らと「千の風になって」などを合唱した。日頃は介護士の資格を持ち、都内のデイサービス施設「歌のつばさ」で音楽療法に携わり、高齢者の認知症予防・軽減に尽力している。

「たとえ認知症であっても音楽は感情や記憶に働きかけ、過去の楽しい記憶が蘇り、リラックス効果や脳の活性化に大きな役割を果たします。高齢者にとって安心感や生きがいに繋がり、音楽を通して住み慣れた地域で在宅生活が続けられるように努めています」と〝音楽デイ活動〟について語る。

内灘中学、県立金沢向陽高(昭和53年卒)から武蔵野音大声楽科・同大学院修士課程声楽専攻修了。同大福井直秋記念奨学生で、同大卒業演奏会、ノヴァンタ・ノーヴェイタリア声楽曲演奏会などに出演した。大学卒業後は新宿区立中学や私立中学の音楽教師を務め、男児2人の子育てを終えてから、様々な社会活動に参加する。

ふる里愛も強く、内灘町の町制50周年プレイベントの砂丘フェスティバルでは、町民愛唱歌の一部「町歌」を独唱している。スポーツドクターでテノール歌手、北山吉明氏はじめ金沢、内灘町などの歌手、音楽家と交流があり、今回の追悼コンサート実現にこぎつけた。

金沢市声楽コンクール金賞を受賞したソプラノ歌手だが、野村康子追悼コンサートで歌った「この道」に心情を吐露した格好だ。

加能人 令和7年12月号

輪島塗再興へ米国研修

(株)田谷漆器店 代表取締役 田谷 昂大 氏

 

昨年元日の能登半島地震で輪島市杉平町の工房が全壊し、朝市通り近くのギャラリーが焼失した輪島塗の老舗、㈱田谷漆器店の田谷昂大(たかひろ)社長(34)=金沢市在住=は若き漆器プロデューサーとして輪島塗業界の復興に励む。今年9月7日から7泊9日の日程で米国ロサンゼルスへ5人のチームで研修と市場調査に出かけ、「大変面白く、どういうデザインが世界のトレンドか分かった」と、成果の一端を語った。

田谷漆器店の田谷昭宏会長(62)の長男。金沢泉丘高から成城大経済学部に進学、同大卒後、24歳の時、帰郷して家業に就いた。「東京に行って輪島塗の良さが分かった」と吐露する。

輪島塗は124の製造工程に11の職種が分業しており、塗師屋はその総合プロデューサー。伝統を守りながら新しい感覚の経営が求められ、震災前に「㈱The Three Arrows」を設立し、輪島塗を体感できる飲食店・ギャラリーを金沢市木倉町にオープンした。

海外やネット販売も展開、被災後は公的助成やクラウドファンディングを活用、トレーラーハウスなど仮設工房2棟を立ち上げ、職人8人を維持した。大阪・関西万博でも展示販売し、何度も講演し輪島塗をアピールした。

今後の輪島塗業界の復興について「アート作品としての価値を高め、海外に売り込む。これまで県外に販売に出かけていたが、輪島に来てもらって輪島塗を買ってもらえるようにしたい」と抱負をきっぱり。珠洲出身の夫人と子供との3人暮らし。次世代に向けてのプロデュースも怠りない。

加能人 令和7年11月号

邦楽の普及活動、ジャズも

日本の音「翠の会」代表

箏・三絃演奏家 川田 昭美 さん

 金沢市出身の箏・三絃演奏家、川田昭美さん(67)=東京都町田市在住=は、神奈川総合高校などで邦楽の教鞭をとり、フルート、ピアノを加えた女性3人の「KOTOユニットBreeze(ブリーズ)」で、演奏活動を続け、日本の音「翠の会」代表として邦楽の普及活動に取り組んでいる。DTM(ディスクトップ・ミュージック)などコンピューターミュージックもこなし、箏演奏でも唯一ジャズ(即興演奏)を披露するユニークな音楽家だ。

金沢で幼少の頃から近所の箏演奏を聞いて育った。小学1年時からピアノを弾き、城南中生のとき、筝曲の演奏をナマで聞いて「こんな表現があるんだ」と邦楽に魅了される。獣医志望のリケジョ(理系女子)で、二水高ではコーラス部に所属したが、生田流の師匠につき、正派音楽院音楽科を卒業、東海大大学院音響芸術専攻、NHK邦楽技能者育成会30期首席で修了。国内外のコンサートで演奏しながら、20代後半からスタジオミュージシャンとしても活動した。

横浜国大付属中学音楽科研究大会の特別講師などを経て現在、玉川学園小学部や町田市第二中学の筝曲部で指導する。「翠の会」の活動は文科省の助成を受けており、学校教育における部活動の指導を教師から地域社会に移行させる流れの中で、学校、地域活動双方の現場で汗を流した実績が今後生かされそうだ。

ユニット「ブリーズ」で今年1月の石川県人会新年祝賀会はじめ9月の敬老の日に町田市などで演奏、「子供からお年寄りまで、日本の文化である音色を教え、伝えていきたい」と、意欲をみせる。伝統芸能が盛んな金沢で育った女性の本領発揮といったところだ。

加能人 令和7年10月号

休館対策でまちなか展示

金沢21世紀美術館館長  鷲田 めるろ 氏

 今年4月1日付で金沢21世紀美術館の館長に就任した鷲田(わしだ)めるろ氏(52)=東京芸大国際芸術創造研究科准教授、京都市出身=は石川県を代表する「21美」施設が27年5月から11カ月にわたり長期休館となるため「金沢のまちなかで収蔵品を出張展示し、にぎわい創出に貢献したい」と、周辺の公共施設や商店街との連携に意欲を燃やす。

今年10月に開館21周年を迎える同館は、施設全体が経年劣化し能登半島地震でガラス天井の一部が落下する事態も。年間約190万人が訪れ、約5億円の収入となる〝ドル箱〟施設とあ

って、経済、文化、芸術団体など様々な要望に応える必要がある。

「文化施設には、まちににぎわいと経済効果を生み出す役割があり、商店街の関係者とも話し合っていきたい」と、外に出ることに前向き。「あいちトリエンナーレ2019」のキュレーター時代に商店街を会場とした企画を担当したことも生かせそうだ。

東大大学院人文社会系研究科美術史学専門分野修士課程修了後、1999年に金沢市現代美術館建設事務局学芸員となり、初代の蓑豊はじめ秋元雄史、島敦彦、長谷川祐子の「歴代館長の下で仕事をした経験は大きい」。青森県の十和田市現代美術館館長を5年務め、7年ぶりに金沢に戻った格好。

「美術品の展示にとどまらず、演劇や音楽、ダンスなどパフォーミングアートにも力を入れたい」と、専門人材の採用も計画する。仏哲学者メルロ=ポンティの研究者だった父親が「めるろ」と名付けた。京都育ちで金沢に20年暮らした影響か、趣味はお茶。ソフトタッチながら芯の強い情念を秘めているようだ。

加能人 令和7年9月号

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